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アートメイクのドタキャン問題|キャンセル料と請求のリアルな線引き

アートメイクや美容医療をやっていると、
どうしても避けられないのが 当日キャンセル・無断キャンセル の問題です。

「今日はこの1件のために3時間空けていたのに」
「この枠、他の方をお断りしていたのに」

これ、かなり辛いんですよね…

特に
・フリーランス
・個人で活動しているアーティスト
・1日数枠しか取れない施術スタイル

こういった働き方の場合、
1件のキャンセルが、その日の売上に直結します。

目次

1|大型クリニックと個人アーティストの違い

大きな美容クリニックでは
・1日に多くの予約が入っている
・複数枠が並列で回っている

そのため、
数件キャンセルが出てもマイナスを帳消しできることがあります。

でも、個人やフリーランスはそうはいきません。

その人のためだけに確保した3時間がまるっと収入無しになります。
なんならレンタルクリニックならマイナスです。

この違いは、
現場に立っている人ほど身に染みていると思います。

2|SNSで注意喚起は必要?

当日キャンセルや理不尽な理由が重なると、
ついSNSに書きたくなる気持ちも正直わかります。

でも、一度「お客さん側」の立場で考えてみてください。

もし自分が
・施術を受ける側
・どこに行くか迷っている側
だった時に、

「ドタキャンされて本当に迷惑」
「キャンセルする人は来ないでほしい」

こんな投稿を見たら、少し身構えませんか?

選択肢がそこしかなければ行くかもしれません。
でも技術・価格・症例が横並びだったら――

最後に選ばれるのは
ホスピタリティや人柄、安心感だったりします。

キャンセルへの怒りを外に出すことで、
静かに未来のお客さんを減らしてしまうこともある。
私はそう感じています。

3|契約書がなくてもキャンセル料は取れる?

民法上、契約は
申込み+承諾 があれば成立します。

契約成立と認められやすいケース

①予約時にキャンセル規定が明示されている
②利用者がそれを確認・同意している
③事前決済やデポジットがある

この場合、「役務提供契約が成立している」
と判断されやすくなります。

なお、保険医療機関においても、
令和8年6月1日施行の厚労省通知(保医発0327第7号)により、
予約診察の直前キャンセル料を患者に請求することが明確に認められました。
ただし条件は同じで、事前説明と同意の取得が必須とされています。

■ 問題になりやすいケース

・LINEやDMで予約を取っただけ
・キャンセル規定はプロフィールやHPに書いてあるだけ
・個別の同意は取っていない
・事前決済なし

この場合、

👉 契約成立が否定される可能性が高い

と考えた方が安全です。

■ 実例から見るポイント

この問題、実は
美容医療業界ですでに是正された前例があります。

全国消費生活相談員協会(適格消費者団体)は、
美容外科クリニックのキャンセル規定について、

・一律で高額なキャンセル料
・理由を問わず発生する違約金
・実損と無関係な請求

これらは
消費者に一方的に不利として、使用停止・修正を求めました。

協議の結果、
認められたのは次の考え方です。

✔️ 契約成立は「予約金の入金」など明確な合意がある場合

全額でなくデポジット5,000〜10,000円でも「お金が動いている」=
契約成立を補強する材料になります。

✔️ 請求できるのは、すでに発生した実費相当額のみ

手術予約などでは、既にかかった医師の診察料や人件費などの「実費相当額」をキャンセル料とする規定が、より妥当とされています。

✔️ その金額も、平均的な損害を超えてはいけない

適正相場: 当日キャンセルで施術料金の30〜50%や、3,000円〜5,000円程度、
無断キャンセルで50〜100%が目安とされますが、クリニックにより異なります。

つまり、
「予約した=自由にキャンセル料を請求できる」
わけではありません。

だからこそ現場では、
・予約時にキャンセル規定を直接伝えて同意を取る
・可能なら事前決済・デポジット
・回収よりも、予約条件で線引きする

この設計が、1番現実的ですね。

消費者庁「キャンセル料に関する消費者の意識調査」

4|じゃあ何のためのキャンセル料?

上記を踏まえて、キャンセル料を請求しても

・振り込まれない
・追いかける労力が大きい
・トラブルになりやすい

この3つが現実です。

だから私はキャンセル料を
お金を取るためのものではなく、

👉 線引きのためのルール

として使っています。

5|私が実際にやっているキャンセル対応

■ 当日キャンセル

「施術料金の 50%」

ただし
・ インフルエンザ
・ コロナ
 → 診断書があれば免除
・交通機関トラブル
 → 遅延証明があれば免除
・「風邪っぽい」「体調不良」
 → 原則NG

■ 無断キャンセル

「以降の予約は一切お受けしません」

これは感情ではなく、
経験上「繰り返す確率が高い」からです。

■ 予約変更

「2日前まで:変更無料」
「2日前〜当日:キャンセル料 5,500円」

厳しすぎず、でも現場が守れるラインを意識しています。

6|基本は「クリニックのキャンセル規定に従う」

アートメイク施術は クリニックのメニューの一部 です。
そのため、フリーランス看護師は

キャンセル規定は、原則クリニックに準ずる

このスタンスが一番安全でトラブルが少ないと感じています。

実際、「前日までに連絡なく来院されなかった場合、キャンセル料3,000円」
という規定のクリニックもありました。

ただ正直、
連絡なく来ない方は、キャンセル料も振り込まれません。笑

「お客様の心情がわからない…」って方は、
消費者庁の「キャンセル料に関する消費者の意識調査」が面白いので、
是非読んでみてください。

https://www.caa.go.jp/policies/policy/consumer_system/meeting_materials/review_meeting_005/assets/consumer_system_cms101_240115_05.pdf

最後に

ドタキャンは、
現場にとって本当に辛い問題です。

でも
・怒りをどこに出すか
・どう仕組みに落とすか
・誰を守りたいのか

ここを間違えないことが、
長く選ばれることにつながります。

キャンセル規定は
「罰」ではなく、来てくれる人を大切にするためのルール。

私はそう考えています。

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この記事を書いたパイセン

38歳でデビューし、講師経験を経て今は経営側に。
法律や税金にも詳しく、いつも冷静に道を示してくれる人。
頼りがいがあって安心感があります。

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