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アートメイクで左右差が!!返金はできるのか?アーティストが知っておくべき法律と対応

「アートメイクで左右差が出た!」
患者さんが返金を求めている。
そういうSNSを見かけることが増えています。
アートメイクを始めた新人さん達も他人事でないですよね。

結論から言います。
返金できるかどうかは、契約の形態と状況によって変わります。
「同意書に返金不可と書いてあるから大丈夫」は、法律的に必ずしも通りません。
この投稿では、左右差クレームが来た時の初動対応・返金の法律的な整理・SNSに拡散された時の動き方を順番にまとめます。

目次

左右差クレーム、まず何をすべきか

ステップ① 感情から謝る

技術説明は後回しにしてください。
「こんな思いをさせてしまい、申し訳ありませんでした。」

ここで「左右差は起こりやすく……」と説明を始めると、患者さんには言い訳として受け取られます。
感情が落ち着いてから、初めて説明が届きます。

ステップ② 来院してもらう

LINEや写真のやり取りだけで完結させないでください。

「一度ご来院いただいて、直接拝見しながらお話しさせてください。」

アートメイクは医療行為です。
写真やLINEのやり取りだけでは正確な状態が判断できず、
万が一の誤解を深めてしまうリスクがあります。

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ステップ③ その日のうちにクリニックへ報告し、院長に動いてもらう

業務委託ナースにとって、ここが一番ハードルが高いところだと思います。
「自分で解決しなければ」「院長に迷惑がかかる」という気持ちはわかります。
ですがここは筋を通す必要があります。

アートメイクは医療行為です。
患者さんは医師の指示下で受けた施術に対してクレームを言っています。
その説明責任は最終的に院長にあります。
ナース個人が謝罪や交渉を続けることは、法的にも立場的にも正しくありません。
クリニックとして対応するのが医療としての筋道です。

《報告時にはこれを伝えよう》
患者名・施術日・クレームの具体的内容・患者の現在の感情・自分がすでにした対応。

ステップ④ 返金はクリニック経由で行う

ナース個人が患者さんに直接返金することは原則できません。
患者さんの料金はクリニックに支払われており、ナースはクリニックから報酬を受け取る立場だからです。
返金が必要な場合は必ずクリニックを通じて行います。
返金額が決まったら、必ずラインでもいいので、テキストに残してください。
口頭だけで終わらせると後から蒸し返されるリスクがあります。

「いかなる理由でも返金不可」は法律的に通るのか

同意書に「返金不可」と書いてあっても、それが法律的に有効かどうかは契約の形態によって変わります。

ケース① 特商法が適用される場合(2回コース・1ヶ月超・総額5万円超)

2回コース契約がこの条件に該当する場合、クーリングオフは無条件・無償で行使でき、クリニック側は解約に伴う損害賠償や違約金を請求できません。
たとえ契約代金をすでに受領していても、全額返金に応じる必要があります。 
ただしこれは「まだ受けていない回数分の返金」の話です。
施術済みの分まで全額返金しなければならない、ということではありません。
同意書に「返金不可」と書いてあっても、特商法が適用される契約であればその条項は無効です。

ケース② 特商法が適用されない場合(単回施術など)

1回だけの単回施術には特商法の規制は適用されません。
特定商取引法に該当しない契約は、原則クリニックが定める解約に関する特約に従うことになります。
この場合、「返金不可」という条項はひとまず機能しやすい状況です。
ただしこれで終わりではありません。
消費者契約法では「消費者の利益を一方的に害する条項は無効」とされています。
明らかに不当な損害が生じていると判断されれば、単回であっても返金を求める根拠になりえます。

訴訟に発展した時のためにフリーランス保険に入っておく

患者さんが納得しなければ、訴訟に発展する可能性はゼロではありません。
訴訟になった場合、弁護士費用だけで数十万円から百万円を超えることがあります。
業務委託ナースはクリニックの賠償責任保険の対象外であることがほとんどです。

アートメイクをフリーランス看護師として行う場合、入れる保険はかなり限られます。
その中で、フリーランスのアートメイク看護師でも加入できる保険の一つが、このナース専科の看護師賠償責任保険です。

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「訴訟になってから探す」では遅い。何もない時に入っておくものです。
備えがあるだけで、トラブル発生時の判断が冷静になります。

同意書と説明で「聞いていない」を防ぐ

初回カウンセリングで口頭では伝えていても、患者さんは緊張や期待で話の半分しか聞いていないことがあります。
「言ったのに聞いてなかった」は両者からよく出るすれ違いです。

対策は目から情報を入れることです。
同意書の重要箇所にはアンダーラインを引き、「ここをご確認ください」と指差しながら一緒に読み合わせる。
「書いてあった」ではなく「一緒に確認した」という形を作ることが、後の「聞いていない」を防ぎます。

同意書に最低限入れておくべき文言:
∙ 左右差を完全に合わせることが難しいこと
∙ 筋肉・骨格・皮膚の状態により差が出ることがあること
∙ 色素の定着は個人差があること

SNSに拡散された時の対応

絶対にやってはいけないこと「感情的にコメントで反論する」

公開の場での反論は、それ自体がスクリーンショットされて「クリニック側が逆ギレ」として更に拡散されます。
ではどうしたらいいのか?

① 投稿を保存・記録する

スクリーンショット+URL+日時を保存。法的対応が必要になった時の証拠になります。

② クリニックに共有し、対応窓口を一本化する

ナース個人がSNSで動くのは基本NGです。
院長や責任者に共有し、外部への対応はクリニックと共有しながら進めるようにしてください。

③ 患者さんへは非公開で誠実に連絡する

DMや電話で
「投稿を拝見しました。改めてご不安をおかけして申し訳ありません。一度直接お話しさせていただけますか」
と連絡しましょう。
コメント欄ではなく、クローズドな場で向き合うことを優先してください。

④ 事実に反する記載がある場合のみ、慎重に対処する

「説明されていない」「謝られてない」など明らかに事実と異なる内容が含まれる場合は、弁護士相談の上でプラットフォームへの削除申請を検討してください。
感想や感情の表現は削除要求が難しいのが実情です。

まとめ

長くなりましたが、最後に一番大事なことを話させてください。
法律のことを書いてきましたが、私が本当に伝えたかったのは、
患者さんは、「自分の顔を信頼してあなたに預けてくれた人」です。

「綺麗になれる」と期待して、そうならなかったとき、傷ついてクレームを言ってくる。
その気持ちは、法律で解決できることじゃないんです。

まず謝る。
まず来てもらう。
まず話を聞く。

その順番を守るだけで、訴訟になるケースの大半は防げます。
法律知識は、誠実な対応をした後に自分を守るためにある。
その順番を間違えないでいてほしいと思っています。
私たちは施術者である前に、看護師です。
患者さんの不安に寄り添うことは、私たちがもともと持っているスキルのはずです。
トラブルの時こそ、その原点に戻ってほしいと思っています。

※本記事は一般的な情報提供を目的としています。個別の法律判断については専門家にご相談ください。

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この記事を書いたパイセン

38歳でデビューし、講師経験を経て今は経営側に。
法律や税金にも詳しく、いつも冷静に道を示してくれる人。
頼りがいがあって安心感があります。

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